ドイツの法律


先日、庭劇団ペニノ『蛸入道 忘却ノ儀』の公演で京都のロームシアターへお邪魔してきました。

昨年東京で初演を終えた今作にはドラマトゥルクとしてドイツ人のマックスがついてくれていました。ありがとうマックス。なぜか写真は首脳会談風に撮ろうとなりました。なぜですかマックス。


マックスはとにかく博識で世界中の民族学・歴史・芸術に至るまでとにかく色んなことを知っていて話しているととても楽しい。
そんなマックスと京都でしばらく過ごしている中でとても印象に残った話がドイツのちょっと変わった法律の話。
ドイツのパブリックシアターに勤めている俳優は舞台の本番のあと数時間以内に何か事故などを起こしてしまった場合に普通より少し刑が軽くなりますよという法律があるそうな。
え?そんなことあるの?!と思ったけどマックス曰く本番後の俳優ってのは役をきちんと作れば作るほど本人が無自覚でも精神的に昂っていることが多く、シラフでも少し酔っ払っているのに近い状態と捉えられているそうです。あえてちょっとだけ異なる扱いを与えて俳優に自分が国の芸術文化の発展に欠かせない人材であるということを自覚してもらうため&国が自国の文化発展のために彼らを守るため(勿論重大な犯罪なんてやっちゃったら守ってもらえないんだろうよ)という考えでこんな法律があるとのこと。いつ頃出来たのかは聞くの忘れてしまったけどすごい考え方があるもんだなあと驚きました。

ペニノの蛸入道忘却ノ儀は来年の2月には再び東京で公演があります。セリフもストーリーもないちょっぴり変わった作品だけど、異様な作り込みのお寺とあんまり観たことのないものが観られると思いますよー。