生瀬ゼミがむっちゃ楽しかったというお話

今日は前回の珍道中ブログとは打って変わってどっつりお芝居の話になるなー。珍道中の続きも書きたいけどね。

さて、この四月からの三ヶ月間、俳優の生瀬勝久さんが主催された生瀬ゼミという長期のワークショップに参加していましたよ。
そして先日、三ヶ月ギッチリお芝居の稽古をした演目を発表会という形で上演しました。その発表会で体験した感覚がとても面白かったので忘れないように書いておこうと思うぞ。ほぼ自分用の記事になります多分。
けどその前にまずは生瀬さん、スタッフ・演出助手の皆さん、そしてゼミ生のみんな、本当に本当にありがとうございました!!と声を大にして言いたいです。ありがとうございました!!

僕は今回生まれて初めて舞台で主役(主役・脇役という概念は演じる役者次第でどうにでも変わると思っているから僕はあまり区別しないけど)を演じることになったのだけど、生瀬さんに言われ続けたのは一言で言うと「その人物としてその場にいてくれれば良い」ということでした。
この三ヶ月、どうすれば今回の戯曲でその状態になれるのかと言うことばかりトライ&エラーを繰り返していたのだけど、3ヶ月かけて行き着いた結論は、ああでも無いこうでも無いを散々繰り返して一周まわって結局「見て、聞いて、答える」と言うとてもシンプルなことでした。
随分回り道をしてしまったけど、結局そうなんだよな、普段普通に生きてるとお芝居と違って中々ドラマチックな出来事は起こらないけど、人間がやってることって仕事も遊びも恋も全部コレなんだものね。

あとはどうやって戯曲に書かれている人物に寄り添うかなんだけど、これは多分妙なエゴとか美化を排除して戯曲を楽しく読んでたら勝手に近づいていけるもんなのかなと今はなんとなく思っています。多分もっと正確に言語化することもできるんだろうけど、それをすると囚われそうな気がするから今はまだよしておこうと思う。このまましばらくふわふわさせておくぐらいがちょうど良い気分なのです。

さて、この「見て、聞いて、答える」ってすごくシンプルで簡単そうに聞こえるけど、いざやってみるとなかなか難しいコイツ。どうすれば乗りこなせるのかと言うことだけど、今回は何もかも諦めてみるって手段でトライしてみました。
どんなお芝居が楽しそうかとか散々台本読んで考えてはみたものの、そんなのはもうどうでもいいやといっぺん投げ出してみたのです。
相手の役者さんが話すセリフを五感を使って感じて、さあほれ、動きたいように動いて喋りたいように喋れ僕の身体よ、ってな具合に。

とにかくそれだけをやってみた結果、発表会でお芝居をしてる間に「あれ?これ今誰が喋ってんだ?」って不思議な感覚がやってきました。もちろん前から見たら僕が喋ってんですからね、こんな事言うと頭おかしい奴みたいに思われちゃうかもしんないけどね、まるでVRで映画の登場人物視点で物語を観てるみたいな不思議な感覚。

実は以前にも別の作品でこの感覚を味わったことがあったのだけど、その時は別のやり方を試してたからあまりコレに寄り添わなかったのだけど、今回は何か面白そうだったから全力で寄り添ってみました。そーしたら楽しいのなんのって!全然知らない人の人生のえらくドラマチックな場面をその人の視点で眺めてられる特等席だぜこりゃあ。

しばらくはこの感覚で遊べそうな気がするから、また新しく試してみたいことが出てくるまではコレで遊び続けてみようと思うぞ。

こんな妙ちくりんなトライ&エラーをしてる中で的確なアドバイスを与え続けてくれた生瀬さん、いっつも最高のサポートをしてくれたスタッフ・演出助手の皆さん、話を聞いてこんがらがった僕の頭の中を解してくれたゼミ生のみんな、改めて本当にありがとうございました!!
とてもとても楽しくて実り多い生瀬ゼミの三ヶ月でした!

おしまい!